西木のコラム
フランチャイズ本部のマネジメントレベル(2010.2.10)
2回目は、フランチャイズ本部のマネジメントレベルに関して話をしたいと思います。
事業をフランチャイズ化すると、マネジメントの難しさが数段レベルアップします。
事業が複雑化するのです。
私も多数の本部をご支援してまいりましたが、業態が魅力的でも、本部のマネジメント力に 課題があって、十分に成長しきれない事例は非常に多いと感じています。
例えば、塾のフランチャイズの場合・・・
塾は、生徒数が増えてくると、教室長(一つの教室の収益をマネジメントする人)が
やらなければいけない業務が生徒数に比例して増加してしまい、非常にマネジメントが難しくなる業態です。
新規営業、講師管理、生徒の親とのコミュニケーション、業績管理等です。
※フランチャイズに加盟した場合、損益分岐点をこえる為には、増えてきた生徒数に対応しつつ新規を獲得し続けなければならない場合がございます。
それでも自社で教室を展開している場合は、それを自分たちがどうやるべきかという話だけになります。(それでも相当大変ですが)
それが、フランチャイズ化したとたんに、自分達が行った内容を他の企業にどう伝えるか、
それを伝えられる人をどう育てるかといった、他の企業に対する要素が入ってくるのです。
そうなると、業務が一気に増えて、本部の社員が担当しなければいけない業務量が急激に増加してきます。
兼務が増えて、誰が担当しているのか、優先順位をどうすべきなのか非常に混乱してしまうのです。
塾のような教室長のマネジメント力に依存する業態の場合は、優秀な教室長がいるかいないかで収益が出る・出ないを左右する事になります。
スーパーバイザーがいくらがんばって教室長をサポートしても、採用が悪いとどうにもなりません。
フランチャイズはよく本部のサポートがないという悪いイメージがあるのが事実ですが実は、多くの本部は、マネジメントの複雑さからくる混乱に対応するので精一杯で、FC本部側も儲かっていないという事も良くある話なのです。
実際に自分でやるよりも単純に考えて以下のような内容が必要となります。
・加盟開発の営業
・加盟店のオープン
・加盟店の業績向上
・加盟店の成功事例収集
・オーナー会の実施
・グループ全体のマーケティング
・SVの採用・教育
・マニュアルやツールの整備
・業態のブラッシュアップ
・事業モデルのブラッシュアップ
・加盟店のクレーム対応
マネジメントレベルの変化は、実は成長企業にも共通した所があります。
会社が大きくなってくると、社長1人で見れる範囲を超える段階があります。
そうなると、中間管理職の育成、理念の浸透、業務分担等が必要になってきます。
企業が継続的に成長する為には、上記の成長の壁を乗り越えていく必要があります。
成長企業の場合は、成長の段階でぶつかりますが、フランチャイズの場合は、フランチャイズを展開した時点で、いきなり、マネジメントレベルが極端にあがってしまうのです。
成長企業の場合は、会社が大きくなってくるとある一定規模になれば、標準化を進めて、生産性を高めて行かないと、いけないというのが通常ですが、フランチャイズの場合は、フランチャイズを展開し始める前の段階から標準化を進めて生産性を挙げる工夫が必須になってくるのです。
実際に、小さな企業からフランチャイズ化する事で、急激に成長し、成功した企業を見るとスーパーバイズ機能を外注したり、フランチャイズ化の前から標準化に取り組み、生産性を上げる為の仕組みを構築していることが多いのです。
以前、ある書籍を読みました。
その書籍では、過去数十年にわたり、市場の変化に左右されず、継続的に成長してきた日本の企業に共通の特徴がないかを調査した報告がされていました。
調査した結果、でてきた共通の特徴の一つが、「社長が自分が経験していない業界には参入しない」という内容がありました。
これは、業種・業界が変わると成果を出すポイント、つまりマネジメントレベルが変わる為、それまで経験してきた感覚では成果が出ないというものです。
前回のコラムで、フランチャイズは教育産業という話をさせて頂きました。
フランチャイズ化するというのは、教育産業に参入するという話とも捉えられるものです。
是非、フランチャイズ化する前に自社のマネジメント力はどうなのか教育産業の成果のポイントを自分たちは理解できているかどうかもう一度考えてみて頂ければと思います。
